木部塗装の難しさ
テーマ:木部塗装工事を行う私たち職人にとって、木部の塗装は意外に厄介であったりします。
↑ 破風板と呼ばれる部位(既存の状態は合成樹脂で塗られています)
今、新築で建てられている住宅には殆ど木部といえる箇所を見かけないのですが
今から10〜20年ほど前までは、頻繁に外部に使用されていたのを思い出します。
さて、その木部の塗装ですが木も呼吸をしている為なかなか難しいのです。
本来であれば、塗膜を全部剥がして呼吸できるような浸透性の塗料を塗るのが
塗装職人の意見としては望ましいですし、
木材の為にもいいと思いますが、それはそれで大変なことです。
今の塗替えでは、合成樹脂塗料を塗って表面に塗膜を形成させる為
上の写真のような剥がれ方が起きます。
合成樹脂というのは、乾きが早く木材の奥深くまで浸透する前に塗膜を形成します。
木材の事をよく考えている塗料(オスモなどが有名です)は、
浸透しやすいように乾きがとっても遅くできています。
10年ほど前は、調合ペイントという塗料(やはり乾かない塗料)に
ボイル油を混ぜて木部に塗装したのを覚えていますが
昨今、塗装工事の工程や塗料の進化の過程から販売が中止になったと聞きます。
これはこれで塗料メーカーからより「木部下塗り」なる商品(合成樹脂)が販売されているので
仕方がない仕上げなのかもしれません。
↓木部下塗り塗料⇒ウレタン樹脂で塗られたケース
仕上がりとしては申し分がないのですが、
しかしながら、最近よく見かけるケースとして木部が腐食してしまっているケースです。
これは、合成樹脂の塗膜で塗ったものの剥がれた場所から雨水が侵入してしまい
水の逃げ場がない為に腐食してしまうといったトラブルです。
↑腐食箇所の取替
他、数か所に腐食箇所あり
どんな塗料を塗っても、木部への塗装後は入念なチェックが
必要なのかもしれません。
<使用材料>
関西ペイント アクアシリコンACU(壁面)水性系 フラット仕上げ
セラMレタン(その他部位)ウレタン樹脂、セラMシリコンUシリコン樹脂
その他
<フェンス門扉塗装>
<木部塗装>